2016年 由井さゆり保育園 保育園評価アンケート結果

講評

入園が決定すると説明会を開催して園生活のことを詳しく丁寧に伝えている

入園が決定すると入園予定者を対象に文書で説明会開催のお知らせをして、おおむね2月最終週か3月上旬に説明会を開催する。その際に0歳児には離乳食の進み具合とアレルギーの有無が分かる書類も同封して説明会に持ってきてもらうようにしている。説明会では入園のしおりを使って説明しており、特に3歳児以上は制服があることを説明して理解を得るようにしている。また、年間行事等の説明を行っている。説明会では児童票、健康調査書、予防接種表などを渡して、入園式に記入して持参してもらうように伝えている。

児童票などの提出は入園式当日であり、その日に個人面談について説明している

入園式当日にはあらかじめ記入を依頼してあった児童票、健康調査書などを提出してもらい、子どもの生活環境や健康面について情報収集を行っている。児童票には家族構成、身体的発育状況などをはじめ両親から子どもを紹介する欄や、アレルギーやひきつけの有無、排泄、衣類の着脱状況、家庭での遊びなどについて記載してもらっている。同時に4月中に個人面談を行い、入園後の園生活が円滑となるように配慮している。

入園児には慣らし保育の実施があり、また卒園児にも継続性のある対応をしている

新園児は入園に先駆けて渡したしおりで伝えているように慣らし保育を実施しており、1週目は11時降園(0,1歳児のみ10時30分降園)、2週目は3日間給食後降園(0,1歳児は12時降園)と2日間のおやつ後降園の実施を経て平常保育となる流れである。ただ、保護者の就労状況によって対応は柔軟であり、3,4歳児の場合には4日〜1週間程度で通常保育となる場合もある。尚、卒園児に対しても年度末の3月31日まで在籍していることを伝え卒園後も通園を促しており、小学校入学後も行事への参加を呼びかけるなど継続的な支援である。

園の保育理念に基づきクラスで年間指導計画を作成し月案に落とし込んでいる

園が示す保育理念及び0〜5歳までの子どもの保育目標に則った形で、クラス単位で年間指導計画を策定し、年間区分のねらいを達成するための月案に落とし込んでいる。園の保育過程は園長、主任保育士、リーダー保育士が系わっており、クラスの年間指導計画はリーダー保育士が中心となって策定している。月の指導計画案に基づき月案(月カリキュラム)はカリキュラム会議にてクラスの担任が策定に携わっている。月カリキュラムは月の保育目標に添って1週から最終週までのねらいを立て、保護者に書面を渡して保育内容を周知している。

子ども一人ひとりに個別の指導計画を作成していて保護者との面談で意向を把握している

0,1歳児は月ごとに一人ひとりの「個別計画表」を策定して、月のねらいを立て具体的な保育内容を明示している。また、この書式は月末には担当保育士による自己評価と子どもの姿について振り返ることで次月の計画に反映している。尚、2〜5歳児は「個人別指導過程」を2ヶ月単位で策定し、目標設定と配慮を明確にしている。また、この書式で月末にモニタリングを行い、必要に応じてアセスメントにつないでいる。保護者とは子どもの誕生月に面談を実施し、園での子どもの様子を伝えたり、保護者からの意見なども聞き取り個人面談記録に記載している。

子どもの様子は個別の保育経過記録や保育日誌など記録されている

子どもの様子を記録する業務日誌、保育日誌などがある。業務日誌は園全体の様子を記載したものであり、保育経過記録は主に特記事項などを中心に記載し月のまとめを行う書面であり、日々の子どもの様子が把握できるものとしては保育日誌がある。保育日誌は年齢によって書式が異なるが、子どもの様子を細かく記録していて、裏面で保育士がその日の自らの対応を振り返る自己評価を行っている。クラス単位での申し送りはあるが全体では行っていないことと、欠席連絡を不要にしていることは子どもの詳細を知るという観点からも検討が待たれる。

個人面談や記録を通じて子どもの全体の姿を把握している

送迎時の保護者との会話や連絡ノート、懇談会などを通じて、子ども一人ひとりの発達の過程や家庭の様子などを把握できるよう努めている。誕生月には毎年担任との個人面談が行われている。児童票のほか、個人指導過程には、食事、生活、遊びについて細かく記載されており、それらについて配慮すべき事がらが示されている。個人面談や記録と通して子どもの全体の姿を把握している。

生活や遊びの中で、主体的に関われるよう、環境への配慮がある

ディリープログラムを展開する中で、子どもの発達や興味を持っているものに応じて、玩具や教材などを自主的に選択し、取り出せるように配慮している。子どもの個々の持ち物や道具箱なども、収納場所と片付け方が決まっており、自分で必要なものを取り出して、使用できるような配慮が見られる。訪問時は2歳児が大きなだるまを興味を持ってながめながら、各々すきなクレヨンを選んで描いていたが、製作などに使用する材料なども、複数用意して、その中から、使いたいものを選んで主体的に取り組めるようにしている。

かみつきやけんかに対して子どもの発達過程にあった支援をしている

かみつきに対してはいけないことを、繰り返しそのつど言葉で伝えており、すぐに冷やすなどの対応の後必ず口頭や連絡ノートで保護者に伝えているが、噛んだ子どもの名前は伝えていない。園で起きたことに対しては園で責任を持つという考えからである。けんかについては年齢や発達過程を考え、そのつど双方の意見を聞きお互いが納得できるよう丁寧に対応しているが、保護者から謝りたいが謝れないなどの声がある。子どもの発達過程に対するトラブルについて保護者と共通理解がもてるよう、再確認する機会がもたれることを期待する。

「保育士マニュアル」が整備されていて見直しを行いサービスの提供に活かしている

園で作成した「保育士マニュアル」が整備されており、職員の業務への心構えは冒頭に「心得として」としてまとめられており、他に「朝の視診について」「お迎え時について」「発熱時マニュアル」「嘔吐処理マニュアル」などが一冊にまとめられていて、適宜見直しを行い加筆している。このマニュアルの特色は保育園の職員としてふさわしいことば遣い、制服の着用、保護者と友達感覚で話さないなどであり、全職員に渡している。

ヒヤリハット・事故報告書が整備されており園内の安全点検チェック表でも確認している

保育中のヒヤリとした事例はヒヤリハットノートに記載し、事故が発生した場合には事故報告書に記載している。ヒヤリハットノートはあえて子どもの名前などは書かず、ヒヤリ事例を一般化し、名前を知る際には保育日誌を見る仕組みとなっている。事故報告書では経過を詳細に記し事故処理後の反省・改善点を示している。園内の安全は週に1回、園内を巡回して、園庭、保育室をはじめ、園舎周辺などを職員2名が点検している。門の鍵の位置については、長い歴史を有する園ならではの「地域の目」が安全に繋がっていることを周知していく考えである。

分からない事が生じた時は保育日誌の自己評価をはじめ直接助言を得ることができている

職員は日々の保育の中で分からないことが生じた際には直接主任やリーダー保育士に相談しており、同時に主任やリーダー保育士が支援方法などの改善点に気づいた場合にはその場で注意することはもとより、時間をずらして行うなどケースバイケースである。職員の多くは保育日誌の裏ページに設けられた自己評価欄にて相談することが多く、クラス主任がアドバイスする流れが定着しているなど保育の歴史が長い園ならではの工夫である。また、クラスの課題が園全体の課題となる場合にはリーダー会議での共有化を図っている。

家庭での子どもの様子を確認し、園での生活につないでいる

朝は遅くとも9時までの登園としており、一人ひとりの子どもの体調や傷の有無など確認し、園での保育がスタートする。早期保育のお子さんは早番保育士が預かり保護者からの伝言は、伝達ノートで確実に担任に伝える仕組みができている。乳児の連絡ノートは排泄から食事、体温など家庭での様子が項目ごとに記載されており、幼児の連絡ノートは自由記載の欄に保護者から、家出の子どものほほえましい様子などが記載されていることも多く、そのつど担任からもあたたかいコメントが添えられている。家庭と園とで子どもの様子を共有しようとする姿勢が窺える。

さまざまな機会を利用して、生活習慣が身につくよう支援している

基本的生活習慣や約束、規則は集会の時に、理解し身につけることができるように、繰り返し話している。手洗いの方法などは、わかりやすい絵を添えて手洗い場の見えやすい位置に貼られていた。食事は4,5歳児は時間をずらしてランチルームで食べており、清潔で落ち着いた空間である。訪問時にも、同じテーブルで一緒に食べている園長先生から、正しい箸の持ち方を教えてもらっている姿があった。連絡ノートや個人面談、懇談会などを通じて、保護者にも年齢にあった正しいマナーなど家庭でも出来るよう伝えている。

午睡の時間は子どもの状態などに合わせて調整している

連絡ノートや登園時の保護者からの伝言や、子どもの体調、家庭での睡眠時間などから、午睡時間を調整しており、乳児の場合はその日の睡眠時間を連絡ノートにも記入し、午睡チェック表にも記入している。年長児になると就学に合わせて徐々に午睡時間をなくしているが、長時間保育の子どもが多いため、午睡時間は横になって体を休めるための時間としてとらえ、環境に配慮している。

正しい言葉や幼児期に身につけたいしつけなどを、丁寧に教えている

外部からの専門家によるプログラムに基づいて、3歳からの体育指導と就学前教育を行っており、保護者からも概ね好評である。テレビなどから流れる流行り言葉などの使用を園の中では禁止しており、幼い時期に正しい日本語を覚えることの大切さを伝えていこうとする、園としての揺るがない姿勢が感じられる。カリキュラムに沿って日々の豊かな保育が行われているが、保育過程に掲げられた保育目標に沿って、日々の保育が行われているかを常に確認しておく必要があると感じている。

木のぬくもりや、豊かな情操を育むための恵まれた環境がある

子どもが好きな本を選んで読むことができる図書コーナーが設けられている。壁やテーブルなどすべてに木のぬくもりがあり、何人かで座れるテーブルと一人だけで静かに本を読むための椅子が備えられている。窓だけでなく、各部屋のネームプレートも本物を感じさせるステンドグラスでできており、金魚や孔雀などが飼育されている。集会室中央にはマリア像があり、子ども達を見守っている。とくにお祈りの時間などはないが、幼い子供は深い愛を受けて正しく育たなければならないといった創立者の思いを感じとることが出来る環境である。

集団遊び、戸外遊び、季節に合った遊びなどが展開されている

すぐ近くに城跡公園があり緑豊かな環境の中、朝は体操、園庭でのマラソンからはじまる。フルーツバスケットやハンカチ落としなどの集団遊びを多く取り入れ、その中で協力しあって、子ども同士が楽しく関われるよう支援している。日常の戸外遊びの他、春は新緑や植物に触れ合える散歩、夏はプールや水遊び、春のたけのこ堀りや秋はいもほり、冬は雪遊びなど季節を感じられる遊びが、年齢ごとのカリキュラムに沿って日々展開されている。

時間の長い子供が安心してくつろげる工夫がある

朝は7時30分から8時30分、夕方は5時から7時30分、また土曜日は終日合同保育となる。通常は0歳、1,2歳、3,4,5歳の合同となっており、その日の人数などで調整することもある。合同の年齢にあった遊具を用意したうえに、コーナーをつくり、できるだけ好きな遊びに集中できるよう環境づくりに工夫をしている。お茶とクッキーなどの補食も用意している。6時以降、人数が少なくなると保育士の膝にのせるなどして安心してくつろげるよう配慮している。土曜日の遊びの工夫やさらなる玩具の充実を改善したい課題と捉えている。

子どもの様子を職員間で引継ぎ確認している

延長保育の時間帯も正規の職員が担当しており、口頭や伝達ノートで担任と確実に引き継いでいる。伝達ノートに書かれた内容が、保護者に伝えられた時点で線を引くように徹底している。保護者アンケートには、口頭で伝えたい内容が他の職員にも、きちんと伝達されていたことで安心できるといった意見がある一方、規則通りではない柔軟な対応を求める意見もみられる。そうした意見の背景などを、きちんと考察していくことが職員間や保護者に対してのさらなる信頼につながると考えられる。

日中の子どもの様子を保護者に確実に伝えている

担任からの引き継ぎ事項などを、保護者にさまざまな方法で伝えている。日中の様子は連絡ノートに記入されており、特記事項については、担任以外の場合は伝達ノートを使って、担任からの引き継ぎ事項を口頭で伝えている。玄関には大きな電子掲示板が設置されており、毎日の保育の様子をお迎えに来た保護者が見ることが出来る。訪問時には、各クラスごとに仕切られた画面に、各クラスの活動の内容と子どもの様子がいきいきと伝えられていた。短い文面に保護者の子どもに対するあたたかいまなざしを感じることができた。

子どもが安心して食べられる環境や献立などに工夫を凝らしている

昼食時には軽く音楽が流れており、4,5歳児はランチルームでの食事となる。特注の木のテーブルに、適度な重さのあるシンプルな食器で決まった席で落ち着いた雰囲気の中、当番の子どもから献立の説明といただきますの挨拶のあと食事が始まった。他の子どもたちは真剣に耳を傾けており、食事への期待や楽しみを感じられた。手作りのおやつや伝承行事食など献立表に沿っていろいろなメニューが提供されている。胚芽米や天然酵母のパンを使用するなど食材選びにもあたたかい配慮がなされている。

食物アレルギーを持つ子どもの安全への配慮を徹底している

食物アレルギーに対しては医師からの診断書に沿って代替給食や除去食の対応をしている。過去に大事には至らなかったが、配膳後にひやりとしたケースがあり、以来、個人のトレーにネームプレートをつけラップをかけて配膳したあと、さらにチェック表で確認し、その後ラップをはずして提供するように徹底している。年齢に関わらず咀嚼力が弱い子どもに対しては、刻み食の提供などの配慮をしている。

食について関心を深める取り組みを行っている

年間食育指導案に基づいて、毎月19日は食育の日とし、保育カリキュラムに取り入れ食育指導をおこなっている。保護者に対しても栄養だよりや毎月配布しているカリキュラムで食への理解や関心を促している。アルファー米の作り方の見学、十五夜だんご、落ち葉たきなどの活動の他、プランターでのトマトなどの栽培のほか、同じ法人園の広い畑でさまざまな野菜を作っている。年間計画に基づいて栽培から収穫まで行い、たけのこやとうもろこしの皮むきやそら豆のさやとり、お泊り保育での調理など年齢にあわせたクッキング保育が行われている。

個人情報の保護とプライバシーへの配慮を心がけていてマニュアルにも明記されている

子ども一人ひとりの尊厳の尊重を心がけており、保育士マニュアルでは「心得として」の中で、「子どもの人権を侵害してはならない」と明示し、乱暴な言葉は使用しない、体罰を行わない、放任は無視をしない、行動制限をしないなどと共に、裸にならないような着脱を指導するなどの文言もあって子どもだからと見逃しがちな支援のあり方に注意喚起を促している。「由井さゆり保育園個人情報管理規定」が定められている他に、入園時には保護者に対して「個人情報等に関する同意書」にて同意を得ている。

虐待防止につながる研修を行い、虐待が疑われる時には園として対応している

園は社会的な立場であり、そのために虐待の早期発見が可能な場でもあることや虐待が疑われる場合には通報義務があることを十分に認識しており、職員研修などの取り組みをしてきた。近年は、研修が減っていることから、職員の中には必要性を痛感している人もいることがアンケートから伝わってきた。継続的な取り組みが期待される。実際に虐待が疑われる場合には、マニュアルに添って、担任から主任、延長への報告を行い、同時に情報収集を行ったり記録を残したりしつつ市の子育てセンターと連携して対応する仕組みである。

業務日誌の自己評価を活用して子どもへの対応が適切であるかを確認している

職員の子どもに対する言動が適正であるかを確認するものとして、各クラスで記載している保育日誌の裏ページにある「自己評価」の欄があげられる。クラス担当保育士がその日の振り返りとして記入するものであり、具体的に記述することで、保育時のヒヤリハットまでいかない気づきや、保育対応や言葉遣いなどの反省も率直に記載することで適正化を進めている。また、リーダー会議で職員の姿勢について話しあったり、園長自身が採用時にチェック表に基づいて面接するなどして法人理念にふさわしい職員の採用となるように努めている。

事業者が特に力を入れている取り組み

ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している

社会的責任として、また地域貢献の一つとして、ボランティアや実習生を受け入れている

当園のボランティア参加者はまだ少人数だが、参加者には主任保育士が直接対応し、「ボランティア心得」などを参照しながら、守秘義務や個人情報保護の趣旨などを周知・説明している。ボランティアや実習生の受け入れは、地域社会と当園を結びつける社会的役割の一つであるという考え方から、なるべく多くの実習生を受け入れており、学校の授業の一環として0,1,2歳クラスを学習の場として提供するなどの取り組みを行っている。また、地域貢献の一つとして、様々な経験をした多様な人々に対しても実習生として門戸を開くなどしている。

子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している

子どもが安心して食べられる環境やメニューなどに工夫を凝らしている

胚芽米や天然酵母のパンを使用するなど安全な食材選びから、環境やメニューまで子どもが、安心して食べられるよう配慮と工夫をして給食を提供している。昼食時は軽く音楽が流れ、4,5歳児は明るいランチルームの、木のテーブルで落ち着いて給食を待っていた。当番の子どもが今日の献立と食事の挨拶をするのを、他の子どもは耳を傾けており、給食に対する期待と楽しみが伝わってきた。手作りのおやつや伝承行事などさまざまなメニューが提供されている。

さまざまな取り組みにより、業務の一定水準を確保している

子どもの安全に配慮して週1回の安全チェックを実施し結果を記録している

保育中のヒヤリとした事例はヒヤハリットノートに記載し、事故が発生した場合には事故報告書に記載している。子どもの安全に結びつく園全体の安全確認は週に1回、園内を巡回して、「安全チェック表」に基づいて園庭、保育室をはじめ、階段、給食室、トイレ、園舎周辺などを職員2名が点検している。表ではそれぞれの場所でのチェックポイントが明記されていて、安全を確認する仕組みである。なお、点検時に気づいたことなども詳細に記しており、修理などが必要な場合には迅速に対応している。

特に良いと思う点

当園の子どもたちは豊かな自然環境にめぐまれて保育されている

当園のパンフレットに「緑あふれる保育園」とうたっているように、子どもを育てるには非常にいい自然環境にある。また、園舎も空間や木材をふんだんに使ったフローリングも格調ある色調もよく、窓にはステンドグラスが嵌め込んであり、カトリック精神の落ち着いたたたずまい。これらの恵まれた環境を活かして保育が行われている。また、4,5歳児には乗馬クラブでの体験があるなど多くの自然環境に恵まれている。

ほいくにっしの「自己評価」欄で子どもへの対応などを振り返り主任がアドバイスするなどの流れが定着している

日々記録している保育日誌の裏ページにある「自己評価」の欄で、クラス担当保育士は保育の振り返りや気づいたことなどを記述し、毎日主任がコメントしている。活動内容や子どもの様子のほかに職員のことば遣いなどの反省点も率直に記載することが定着しており、また、分からないことなども相談し具体的な助言を受けている。職員の多くはこの「自己評価」欄にて相談することが習慣化していて保育の適正化の一助となっており、同時に子どもの人権を尊重する保育へとつながっていると考えられる。保育の歴史が長い園ならではの工夫である。

日中の子どもの様子を、保護者に伝えられるように工夫している

日中の子どもの様子は主に口頭や連絡帳を通して伝えられているが、今日は何をして遊んだのか保護者にとっては気になるところである。お迎えにきた保護者は本日の給食をメニューだけでなく実際に見ることができ、各クラスの様子は玄関の大きな電子掲示板で写真や担任の手書きの文章によって伝えられている。こういった工夫が、子ども達と保護者のコミュニケーションのきっかけとなりえる、橋渡しの役を果たしている。

さらなる改善が望まれる点

マニュアル類を整備して、さらに業務の標準化を図りたい

法人の精神や、基本方針、保育方針などの骨格は確立している。職員に対しては「保育士マニュアル」や「職員心得」が活動の指針として整備されている。また、各業務マニュアルも作成されており、日常業務での手引きとして活用されている。なお、そこでは、職員としてあるべき姿について、園としての考え方、姿勢を示している。しかし、職員や保護者の中には、服装、髪型、言葉遣いなどについてまだ戸惑いがみられることがある。職員自己分析で評価の低かった項目でもあり、ちょっとした価値観の違いではあるが、留意することが望まれる。

保育士同士の日々の連絡には主に伝達ノートを活用しているが、職員全員が顔を合わせて子どもの様子を把握する場の確保なども考えられる。

保育士は子どもの状態などを申し送りたい場合にはクラス伝達ノートに記載して情報の共有に努めている。朝のミーティングはクラスごとに行っており、その日の予定確認などが中心である。園では9時までの登園の有無で欠席を判断する仕組みであるが、その都度理由を聞くことも子どもの近況把握に通じると考えられる。職員全体で行う日々の申し送りなどは変則勤務であるため開催していないのであるが、保育士が他のクラスの子どもの状況などを把握することも必要であると考えられ顔と顔を合わせて情報交換する場の設定も検討されたい。

発達過程に対する共通認識を、保護者と図る機会の検討を期待する

発達過程でおこる子ども同士のトラブルに対して、園としては、年齢や発達過程を考慮し、子ども一人ひとりを尊重した対応をしているが、保護者同士が気まずい思いをしていることが、アンケートから察しられる。園だよりにはわかりやすい説明がなされており、理解を求めているが、実際の場面では納得しがたいことも考えられる。発達過程におけるトラブルなど保護者同士が共通認識を持てる機会の検討を期待したい。